非正規社員 が うつ病 等にかかった場合の取扱い

 契約社員、パートやアルバイトといった 非正規社員 として働く人の割合は最新の労働力調査(H2913月)においても37%を超えており、また昨今注目されている ワーク・ライフ・バランス の観点から「自分の都合のよい時間に働きたいから」という理由で積極的に 非正規社員 としての働き方を選択する人は前年同期に比べて増加しているそうです。

 そんな中、仕事のストレスから うつ病 等を発症してしまう非正規社員に対する取扱いに悩まれる企業も増えているのではないでしょうか。

 

◆休職制度の位置づけ

 休職制度は労働基準法等の法律によって義務づけられた制度ではなく、会社が解雇を猶予する制度として任意に設けることのできる制度である為、就業規則においても、任意的な記載事項にとどまり、そもそも休職制度を設けないのであれば記載する必要はありません。その意味で、契約社員やパート・アルバイト社員を休職制度の対象者とするかどうかは、従業規則を定める会社の裁量に委ねられているといえます。

 但し、「休職に関する事項」は定めを設けている場合には労働契約締結の際に明示しなければならないため、制度の内容(どこまでを対象者とするか)等を明示する必要があります。

 

◆有期契約労働者(契約社員等)の場合

 まず、有期契約労働者を適用対象とする就業規則があるか否かによって判断が分かれます。

 契約社員等を対象とする就業規則を規定し、かつ休職制度を設けているならば、当人が休職事由に該当するかどうかを確認し、該当すれば休職扱いとなります。

 また、就業規則の届出義務のない会社であっても、労働条件明示書の「休職に関する事項」に休職制度を適用する旨記載している場合は休職制度の対象になります。

 もっとも、休職命令を発令するとしても、契約の残り期間には注意が必要です。もし、残り期間5ヶ月の契約社員に対して休職規定に基づき6ヶ月間の休職を命じてしまうと、契約が更新されるという期待を与えたことになりかねず、後日期間満了による契約終了(雇止め)をしにくくなるおそれがあるため、規程上は6ヶ月を上限としていても、このような場合の休職期間は契約の残期間を超えない形で設定するほうがよいといえます。

 

◆パート・アルバイト社員の場合

 パート・アルバイトについては通常、長期間継続して雇用することを前提としておらず、就業規則や労働条件通知書にも休職制度の適用対象外としていることが多いようです。

 したがって、パート・アルバイト社員がうつ病等にかかった場合、休職制度の適用を受けないのであれば、休職を命じる必要はなく、有給休暇を消化した後は欠勤扱いとなり、長期に渡って欠勤が続くようであれば期間満了で雇止めや、場合によっては解雇することになるでしょう。

 もっとも、その うつ病 等の精神疾患が業務上の出来事(長時間労働や職場のハラスメント等)に起因する場合は、私傷病ではなく、業務上の疾患と認定され、解雇制限がかかってしまうため注意が必要です。

 

                                                        野々山 環

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