短時間労働者に対する健保・厚年の適用拡大Q&A集-令和6年10月施行分を公表

厚生労働省から、年金局の新着の通知(令和6年1月24日掲載)として、「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いに関するQ&A集の送付について(令和6年1月17日事務連絡)」が公表されました。その事務連絡で紹介されているQ&A集は、令和6年10月1日に施行される適用拡大に向けて、「令和6年10月施行分」として取りまとめられたものです。

特定適用事業所の企業規模要件の拡大(使用する厚生年金保険の被保険者の総数の要件の改正:「常時100人超え」→「常時50人超え」)が、迫ってきました。

使用する厚生年金保険の被保険者の総数が常時51人以上100人以下である事業所では、令和6年10月1日以降は、それまで被保険者でなかった週所定労働時間が30時間未満のパート等(学生を除く)についても、週所定労働時間20時間以上、所定内賃金の月額8.8万円以上という要件を満たす場合には、被保険者として取り扱う必要があります。おおむねそのような規模の事業所については、このQ&A集を確認しておくことをお勧めいたします。

以下にQ&A集より一部抜粋してご紹介します。

問1:なぜ被用者保険の適用拡大を進める必要があるのか。

(答)政府においては、これまでも法律改正を通じて、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用拡大(以下「適用拡大」という。)の取組を進めてきており、その意義については、以下の点があるとされています。
①被用者でありながら国民年金・国民健康保険加入となっている者に対して、被用者による支えあいの仕組みである厚生年金保険や健康保険による保障を確保することで、被用者にふさわしい保障を実現すること。
②労働者の働き方や企業による雇い方の選択において、社会保険制度における取扱いによって選択を歪められたり、不公平を生じたりすることがないようにすること等により、働き方や雇用の選択を歪めない制度を構築すること。
③適用拡大によって厚生年金保険の適用対象となった者が、定額の基礎年金に加えて報酬比例給付による保障を受けられるようになること等を通じて、社会保障の機能を強化すること。


問2:適用拡大の実施により、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の被保険者資格の取得要件はどのようになるのか。令和6年10月1日からは何が変わるのか。

(答)平成28年10月1日より適用拡大が実施されたことにより、「1週の所定労働時間」及び「1月の所定労働日数」が、同一の事業所に使用される通常の労働者の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3以上(以下「4分の3基準」という。)である労働者については、厚生年金保険・健康保険の被保険者となります。
4分の3基準を満たさない場合であっても、次の①から④までの4つの要件(以下「4要件」という。)を満たす場合は、新たに厚生年金保険・健康保険の被保険者となります。

①1週の所定労働時間が20時間以上であること。
②所定内賃金が月額8.8万円以上であること。
③学生でないこと。
④以下のいずれかの適用事業所に使用されていること
(1)公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号。)附則第17条第12項及び第46条第12項に規定する特定適用事業所(以下「特定適用事業所」という。)
(2)労使合意により事業主が適用拡大を行う旨の申出を行った特定適用事業所以外の適用事業所(国又は地方公共団体の適用事業所を除く。)
(3)国又は地方公共団体の適用事業所(※)
(※) 国又は地方公共団体等(一部の独立行政法人等を含む、以下「国等」という。)に勤務する短時間労働者に対しては、令和4年10月1日以後、国家公務員・地方公務員共済組合制度の短期給付・福祉事業が適用されることから、国等の適用事業所については健康保険に係る徴収、給付は行いません。

 令和6年10月1日(以下「施行日」という。)以降は、特定適用事業所における、いわゆる企業規模要件について、使用される厚生年金保険の被保険者の総数が常時100人を超える企業から常時50人を超える企業に拡大されます。


問3:最初の雇用期間が2月以内である場合は、当該期間を超えて使用されることが見込まれることとして取り扱われることはないのか。

(答)最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、次の(ア)又は(イ)に該当する場合は、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」に該当するものとして、最初の雇用期間に基づき使用され始めた時に被保険者の資格を取得することになります。
(ア)就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。
(イ)同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき雇用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績があること。

ただし、(ア)又は(イ)に該当する場合であっても、2月以内で定められた最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合意(※)しているときは、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」には該当しないこととして取り扱います。
(※)書面による合意(メールによる合意も含む。)が必要となります。


問4:4分の3基準を満たさない短時間労働者は、4要件のうちいずれか1つの要件を満たせば被保険者資格を取得するのか。

(答)4分の3基準を満たさない短時間労働者は、4要件全てを満たした場合に被保険者資格を取得します。


問7:使用される被保険者の総数が常時50人を超えるか否かの判定は、適用事業所ごとに行うのか。

(答)使用される被保険者の総数が常時50人を超えるか否かの判定は企業ごとに行いますが、具体的には以下のいずれかの考え方で判定します。
①法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全ての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が常時50人を超えるか否かによって判定します。
②個人事業所の場合は、適用事業所ごとに使用される厚生年金保険の被保険者の総数が常時50人を超えるか否かによって判定します。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T240124T0010.pdf
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