モラルハラスメント(モラハラ)

「モラルハラスメント」とは

道徳や倫理を表す「モラル」と、嫌がらせを意味する「ハラスメント」が合わさってできた言葉で、道徳や倫理に反した精神的な嫌がらせのことを指しています。

解説

パワハラとよく似ているとされていますが、以下のような違いや特徴があります。

  • 職務上の優越的な関係(パワー)背景にハラスメントを行うパワハラと違い、モラハラは行為者と被害者の間の力関係は問わないため、パワーを持たない人が誰でも行為者になる可能性があります。
  • モラハラは、言葉や態度によって人を傷つけたり、追い詰めたりする精神的な嫌がらせなので、殴る、蹴るなどの直接的な暴力は含まれません。
  • モラハラをする人は、「被害者にだけ」悪質な行為をする場合が多いため、周囲が気づきにくいという特徴があります。

モラルハラスメントの具体的な言動事例

言葉や態度による精神的な攻撃

  • 本人に聞こえているとわかっていてわざと陰口を言う。
  • 根拠のない噂を広げる。
  • 容姿や身体的特徴をからかう
  • 「クズ」や「バカ」、「役立たず」など能力や人格を否定するような発言をする。
  • 「死ね」や「消えろ」などの脅迫めいた発言をする。
  • 舌打ちをしたり、相手の言動に対してわざとらしいため息をついたりする。

人間関係からの切り離し

標的とする相手から、必要な情報やコミュニケーションの機会を奪い、周囲との人間関係から孤立するように仕向けるモラハラ

  • 一人だけ職場の飲み会やランチに誘わない。
  • 挨拶されても気づかないフリをして無視する。
  • 業務に必要な情報をその人にだけ与えない。
  • 会議での発言をわざと遮る。

過大な業務・過小な業務

膨大な業務量を押し付けることで過度なプレッシャーを与えたり、逆に仕事を与えないことで、その人があたかも会社にとって不要な存在であるかのように思わせるなどの、精神的苦痛を与えるモラハラ

  • 就業時間内にとうてい終わらない量の仕事を押し付ける。
  • 意図的に曖昧な指示を与えて失敗するように仕向ける。
  • 割り当てられていた業務を理由なく取り上げる。
  • 本来の仕事をさせずに雑用を押し付ける。

プライベートへの過度の介入

相手のプライベートまで深く知ったり、バカにすることで、相手を支配したいとか、優位に立とうとするモラハラ

  • 「なんで結婚しないの?」としつこく何度も聞く
  • プライベートの趣味をバカにする
  • 休日の付き合いを過度に強要する
  • 家族や恋人について不快なほど詮索する

モラルハラスメントがもたらす影響

  • モラハラを受けることによって被害者がメンタル不調に陥り、休職や退職に追い込まれる。
  • モラハラを放置することにより、安全配慮義務違反など、会社の責任を問われる。
  • SNSによって個人が声を上げやすくなったことで、「モラハラが蔓延している企業」というネガティブな情報が拡散され、企業イメージが低下する。
  • 職場環境の悪化により、労働生産性が低下する。

モラルハラスメント対策のポイント

(1)ハラスメント防止規程等社内ルールで「モラハラ」を禁止し、処分の対象にする。

⇒「モラハラ」の存在を周知して禁止することで一定の抑止力が期待でき、万が一発生した場合も、社内ルールに則ってしかるべき処分が行えます。

(2)「モラハラ」を組み込んだハラスメント防止研修を実施し、従業員に正しい知識を持ってもらう。

⇒どんなことがモラハラになるかを知ることで、自分の言動を見直したり、自分が受けている行為がモラハラかもと気づくことができ、相談につなげることができます。

職場におけるその他のハラスメント

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