就業規則作成時に意識するバランスポイントと目的

Point1「労働者が安心して働けるルールの提供」

Point2「ムダな労務コストの削減」

Point3「労務リスクの抹消・回避」

目的1「労使間のトラブルを未然に防ぐ」

目的2「労働者のやる気を向上させる」

Point1「労働者が安心して働けるルールの提供」

労働者が安心して働くことが出来ず、常に不満を感じるようなルールでは、その能力を充分に発揮することはできません。

少しでも労働者が安心して働けるルールと職場環境を提供することが出来れば、目的1「労使間のトラブルを未然に防ぐ」、目的2「労働者のやる気を向上させる」につながります。

ただし、このようなルールは労務コストの増加や生産性の低下につながるものもあります。

例)所定労働時間の削減、休日や特別休暇の増加など

しかし、労務コストの増加や生産性の低下につながらないものもあります。

例)欠勤や遅刻、早退、年次有給休暇取得のための手続きルールの明確化、フレックスタイム制や変形労働時間制の採用、自社に適切な服務規律や懲戒事由の明確化など

アメリカの心理学者アブラハム・マズローが唱える「欲求段階説」では、安全欲求が満たされない状態では、それより上位にある組織への帰属意識が生まれることはありません。

つまり人間は自身の安全確保が出来ない状態では、仲間意識も芽生えず、仕事の達成欲も出ないということです。

Point1「労働者が安心して働けるルールの提供」は、労働者の安全欲求を満たすことにつながり、より高次元の目標を持たせる土台となります。

マズローの「欲求段階説」

  • 自己実現欲求
  • 自我欲求
  • 社会的欲求
  • 安全欲求
  • 生理的欲求

あるべき自分になりたいという欲求

自分の夢を達成したい…自己の成長

他人からの称賛を求める欲求

自分の能力を認めて欲しい…仕事の達成

会社、家族、あるグループなどに帰属していたいという欲求 

会社、同僚と一緒にいたい…会社への後見意識

暴力や不当な扱いで生存を脅かされないための欲求

不当な解雇、減給、不利益…就業規則

人が生きていく上で欠かせない衣食住を求める欲求…給料

Point2「ムダな労務コストの削減」

労務コストが増加するような制度には、一部の労働者しか利用していないものや、まじめな労働者や組織への貢献意識が強い労働者は利用していないような制度もあるはずです。

そのような労務コストは削減対象とし、誰もが利用できる他の福利厚生費として利用すべきです。

就業規則には、法律で定められ会社に費用負担が義務づけられているものと、法律で定められているわけでもなく会社の費用負担が不要なものもありますので、これらを区別して認識する必要があります。

法律の定めではない制度だからといって全て削除してしまえば良いということではありません。

このような制度の中には、日本の風習や業界、地域特性に合うよいルールもありますので、自社で運用できるコストと世間相場を考慮した上で導入を検討します。

ただし、労務コストの削減策は、労働契約法で定められた「就業規則の変更による労働条件の不利益変更」に抵触しやすいので注意する必要があります。

Point3「労務リスクの抹消・回避」

労働基準法その他処法令の基準に達していない部分がある場合、達していない部分はすべて会社にとって労務リスクになります。

全ての労務リスクを一度になくす事が難しい場合には、少しでも多くの労務リスクを抹消または回避していく必要があります。

残業代の未払いや労働・社会保険の未加入などの労務リスクを抱えている場合、それらの遡及払いの危険を抱えていることになります。

解雇やセクハラ、過労死その他の事故発生についての訴訟を起こされることもあります。

これらの危険性から逃れるためには法律の基準を守り、労務リスクを抹消しなければなりません。

また、一定の方法でその全部または一部を回避する必要があります。ただし、回避しただけではPoint1「労働者が安心して働けるルールの提供」にはつながらず、労働者が満足することはないのです。

会社は法律の基準をクリアすることと、リスクヘッジすることを分類して認識する必要があります。リスクヘッジのテクニックだけに捕らわれると、労働者がやる気を失っていく結果となりかねません。

目的1「労使間のトラブルを未然に防ぐ」

労使間のトラブル発生を防ぐために、前述のPoint1「労働者が安心して働けるルールの提供」、Point2「ムダな労務コストの削減」、Point3「労務リスクの抹消・回避」のバランスを取ります。

就業規則を周知し、そのルールどおり運用している会社はそれだけでトラブルの発生が少なくなります。

労使ともに就業規則に定められたルールを守って行動していればトラブルは発生しませんし、労働者としての権利要求もルールの範囲であればもめる事無く認められます。

トラブル発生を未然に防ぐことによって、解決のために割く時間が不要となり、トラブルから受けるマイナス影響もなくなります。その分、使用者は経営に専念でき、労働者は仕事に集中することができますので業績の向上にもつながります。

目的2「労働者のやる気を向上させる」

就業規則は労働者を規制する目的だけで作成するものではありません。労働者が安心して働けるルールを提供することも目的の一部です。さらに一歩進めて、リフレッシュ休暇制度や表彰制度、給与、賞与、福利厚生制度などを活用して労働者のやる気を向上させることも可能です。

ムダな労務コストを削減し、その分を労働者のやる気につながるような制度に配分しましょう。

最近では、就業規則に法律とは全く関係のない社内のコミュニケーション向上のためのルールを取り入れている会社もあります。就業規則は、会社と労働者のルールブックではありますが、法律で定められていることを規定するだけでなく、「任意的記載事項」として会社独自のルールを規定してもよいのです。

労働者のやる気を向上させることにつながるルールであれば、就業規則に積極的に取り入れましょう。

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